コラム『松本すみこのシニアライフ』 No.29

 

大人が楽しめるライブを

2017年8月26日

 
 

日本の音楽シーンが変わる?

私の周りには、音楽を愛する人たちがたくさんいますが、聴くだけでなく、演奏することを楽しむ人たちが多いのです。

仲間と活動しているNPO法人シニアわーくすRyoma21には、「ジャズ同好会」(ちょっと休会中)があるし、歌声喫茶の活動に熱心な人、おやじバンドで青春二度目の人もいます。

シニアといえば、クラシックにスタンダードジャズに、シャンソンなどという認識が一般的かもしれませんが、団塊の世代あたりが若かりし頃に親しんだ音楽といえば、終戦とともに海の向こうからやってきたロックンロール、続いて、ベンチャーズ、ビートルズ、ローリングスストーンズ。モンキーズなんていうのもあったな。

それらのまったく新しい音楽に触発され、仲間とコピーバンドを作って、演奏することを楽しんだ人たちがたくさんいました。今、彼らが演奏を再開しています。

洋楽だけではありません。日本の音楽シーンも、カレッジフォークに反戦フォーク、グループサウンズ、ニューミュージックとつながっていきます。

一方で、暗いジャズ喫茶に入り浸り、一杯のコーヒーで1日中レコードに耳を傾けたという、ほかの国にはあまり例のないジャズへの接し方もしました。この世代の音楽体験は実に多彩です。

ロック世代も70代

その中心世代の団塊がもう70代になるのです。音楽シーンはまた様変わりするかもしれません。ひとつは、音楽の内容です。

前にも、少しメルマガでお知らせしたような気がするのですが、中尾ミエさんたちが立ち上げたミュージカルに「ザ・デイサービス・ショウ It's Only Rock'n Roll」があります。舞台は老人施設。入居者のために職員が歌うのはいつも小学唱歌。

ところが、認知症気味の男性にロックを聴かせたところ、俄然、元気が出て、自ら演奏をするまでに。ついには、施設内でロックバンドができてしまうという筋書き(2・3年前に見たので、記憶によれば)でした。

歌声喫茶などで歌われている音楽も、今のところ、学校で習った歌や童謡、抒情歌、ロシア民謡、歌謡曲などが一般的ですが、今後はそこに、ロックやビートルズが加わるかもしれません。いや、ビートルズはもう加わっていますしね。

二つ目はライブ会場の在り方です。出演者の登場とともに、最後まで立ったまま、手拍子、足拍子という、あの状況はどうにかならないものでしょうか。

先日、新聞にこんな記事が掲載されていました。

9月1日〜3日まで池上本門寺の野外特設ステージで開催されるロックフェスティバルは、すべての観客にいす席を用意し、テーブル付きの特別席も設けるそうです。椅子なしが原則のロックフェスにも変化が訪れたのです。

記事には「40代〜50代前後の大人世代にゆっくり腰かけて楽しんでもらうのがコンセプト」と書いてありますが、60代、70代のロック第一世代も忘れてもらっては困ります。そして、同年代のロック歌手やバンドにもどんどん出ていただきましょう。

立ちっぱなしの会場の様子を想像してと、二の足を踏んでいるファンを会場に呼び寄せることが可能だと思います。音楽業界活性化のひとつの方法ではないでしょうか。音楽は若い人だけのものではありません。

椅子もあります!

最後に、もうひとつ、ご紹介。

NPOのメンバーの中に、会社勤めをしながら、今でもプロのバンドを組んで、時々ライブを行っている男性がいます。ギンギンのロックバンドで、CDも出しています。しかし、かれらもいつの間にか50代半ば。

ライブ会場に椅子を置いてくれたら、行ってもいけど、と言ったら、こんな答えが返ってきました。
「僕らも9月10日のライブは椅子を出そうかと相談しています」

ちなみに、彼らのバンド名は「LORAN」。よろしければ、見てやってください。

→ http://www.loran1990.net/
→ https://www.youtube.com/user/LORANofficial/ (*音が鳴るのでご用心)

たまには音楽で年齢を忘れるのもいいですよね。

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